ドイツ3日目: ドクメンタ17へ
3日目は、今回の旅の目的ひとつである現代美術展「ドクメンタ17」をみに行きました。
ドクメンタというのは4、5年に一度ドイツのカッセルで行われる世界でも最大級と言われている現代芸術展の一つである。
ドクメンタの最初の目的は、ナチスドイツが「退廃芸術」として排斥した前衛芸術の名誉回復を行い、芸術を復興させることだった。第一回は1955年で、美術家・建築家・デザイナーであり、カッセル芸術アカデミーの教授だったアーノルド・ボーデの主導で開催。会場のカッセルは戦禍を被っていたため、街の復興という意味合いも含むものとなる。
過去のドクメンタには、カッセル市に7000本の樫の木を植えるプロジェクトを始めたヨーゼフ・ボイスや、ゲルハルト・リヒター、アンディ・ウォーホル、アイ・ウェイウェイなど、世界中の名だたるアーティストが参加してきた。
主に五年ごとの開催であるため、「アート界のオリンピック」とも称されるが、ドクメンタに勝敗はない。規模が大きいにも関わらず、アート・マーケットとは一線を画する存在で、視点が中立的とされる。
という大きな美術展です。
私は作品の量が膨大なため、いくつかピックアップしてまわりました。









どの作品もかなりストレートでした。
社会的問題をテーマに、記録や記憶を様々なかたちで提示し、訴えている。
突き刺さる作品が多かったです。
美術展というより、報道写真展や報道番組に近いもの、まさに展示の名の通りドキュメンタリーでした。
私自身の作品についても、深く考える機会になりました。
4日目:最終日
前日のドクメンタの刺激が強かったために、まだまだ作品は残っていたのですが、この最後の日はカッセル市内を観光することにしました。
カッセルの街並をみて、空気を感じたかったのです。
街の中をぶらぶらして、ウィンドーショッピングをしました。
日本では真夏の季節ですが、ドイツは少し曇ると涼しくなります。
伝統的な石畳や、おしゃれな街並み、どれも新鮮でした。その街の中にある日本とあまりかわらないショッピングモールもまた新鮮です。
午後には初日に行った世界遺産のヴィルヘルムスヘーエ城公園(Bergpark Wilhelmshoehe)へ再び行きました。初日に行ったところよりもさらに上にはヘラクレス像があるのです。
それを見に行く事にしました。
17世紀から18世紀にかけて建設されたヴィルヘルムスヘーエ城公園(Bergpark Wilhelmshoehe)があります。この公園はバロック庭園技術を盛り込んだ美しい公園で、総面積240ヘクタールもあります。
この公園はその美しさだけでなく、頂上から大噴水池まで高低差を利用して、水の力そのもので噴き上がる大噴水「水の芸術」というイベントが期間限定で開催されていることでも知られています。
公園の頂上には8mあまりの堂々とした姿のヘラクレス像がカッセルの町を見下ろすように立っています。14時30分になると、そのヘラクレス像の足元から水が勢いよく流れ出し、「水の芸術」が始まります。そのすぐ下には城壁があり、見下ろすことができます。
この期間は工事をしていて、大きなクレーン車があったり、水も流れてはいませんでしたが、それもまた何とも言えない不思議な景色でした。
この場所からカッセルの街を見下ろす事ができます。
その風景をみていると、カッセルの空気、そして歴史を感じられます。






こんな風に他の国の歴史のある場所で、この国の町並みを見下ろし、空気を感じるとで、この国をもっと知りたくなりました。またいろんな国も見たくなりました。
自分とは違う環境で暮らし、全く違う文化の中で育まれてきたものをこの目で見たくなりました。
そして改めて、日本についても考えました。自分が生まれた国日本。
自分の国について考える事は、自分について考える事でもあります。
いろんな事を感じながら、この場所から再びカッセル中心部に戻りました。
旅の最後の夜なので、カッセルの伝統料理を食べて、旅を締めくくりました。
おいしいお肉の煮込み料理でした。お肉は柔らかく煮込まれていて、デミグラスソースにの少し酸味のあるような味付けでとても美味しかったです。付け合わせのマッシュポテトもなめらかで美味しかったです。
食べるのに夢中で写真は撮りませんでした笑
今回、初めてのドイツで、短い滞在でしたが、とても濃厚な旅でした。また興奮するだけでは終わらず、冷静にじっくりいろいろな事を考える時間が多くあったと思います。
(初めて海外で行ったニューヨークでは何もかもが新鮮で、いろんなものに驚き、ビビっていた部分もあったので、考える余裕もなかったのです)
でも、やはり時間は全然足りないと思いました。
なのでまた、ちかいうちにドイツには絶対来るぞ、という想いで帰国しました。
今回の旅で得たものは私の肥やしです。
これからどんな作品を作っていくかは私自身もわかりませんが、もっともっと作品と自分自身を追求していきたいと思います。
終わり